職場ストレスにおける、パニック障害という言葉はご存じでしょうか?
近年は、芸能人が自ら公表したり、アイドルタレントが所属事務所を通して発表するニュースが流れたりするなど、「パニック障害」という名前を “聞いたことがある” 程度には、世間に認知されるようになって来たかと思います。
パニック障害は、精神科や心療内科で診断を受けることが多いと思われますが、厚生労働省HPでは、1,000人に6~9人、つまり100人に1人の割合と言われています。
ちなみにこれまでパニック障害の解決に関わってきた筆者の主観的感覚では、一生のうちに「10人に1人」が陥ってしまう可能性があるくらい、現代では珍しい病気ではないかと考えています。
そこで、本記事では、職場ストレスにおけるパニック障害が起こるメカニズム、症状、原因、陥りやすい人、対策をお伝えしたいと思います。なお、筆者は医者、ならびに医療従事者ではありませんので、これまで現場で様々な事例に携わってきた「1人のコンサルタント」の見解として、お伝えをして参ります。
パニック障害が起こるメカニズム
パニック障害は、どのようにして起こるのでしょうか?
まず、職場・家庭などの人間関係を主に、長年のストレスや身体の不調が積み重なります。
そして、本来は ”身体中に冷静な指令を出す” はずである 「脳」が「パンクの状態」を引き起こしてしまいます。
まるで、車のエンジンがオーバーヒートするように「脳」が誤作動を引き起こし、感情がコントロールできなくなる状態です。
その結果、本来は冷静な判断ができるようなハードルが低い日常生活上のことでも、冷静に判断できず、怖さのほうが勝ってしまいます。それが、不安の気持ちを増幅させたり、身体への拒否反応につながっていくのです。
パニック障害の身体の症状
突然、原因不明の動悸、めまい、発汗、窒息感、吐き気、手足の震え、血の気がひいて冷静に物事が考えられない、といった発作(パニック発作)が起こります。そして、検査しても異常が見つからない。何件も病院を渡り歩いても、「これ!」と言う原因や対策が見つからないのも、パニック障害の身体的症状です。
どんな場面で困るの?
具体的には、主に4つの場面で拒否反応が生まれます。
- 乗り物系トラウマ:電車、バス、高速に乗ろうとすると胸がドキドキする。
- 空間の怖さ:閉所が怖いエレベーター、狭い部屋が落ち着かない。
- 会議中に、人からの目線やどう思われているか気にして緊張して、動悸がする。
- 人混みの中で、気分が悪くなる。
この4つに共通しているのは、何か起こったときに、逃げられない怖さ、その場の状況をコントロールできない苦しさです。そのため、ビジネスマンにとって、通勤や業務に支障が出てきてしまいます。
対策は?
パニック障害は、脳がパンクして “誤作動” したがために起こった状態です。
多くの場合、その人にとって、期日が迫って受け入れられないくらいの業務量を常に抱えてしまったり、人間関係の調整に気を遣ったり、完璧主義なためにミスをしないように自身を追い込んでしまうがために、常に気を張っている状態かと思います。
そのため、まずは「パンクした脳をスッキリさせる」ためにも、第一に業務量の見直し、剃りの合わない人間関係の見直しを上席にお願いすることが必要です。
とはいえ、それは一時的な対策です。本当に大事なことは、収入のみならず、健康幸せに働き続けるための『セルフマネジメント力』をつけることが本質の解決になります。
具体的には、
- タスク・時間管理ができるようになること
- 常に安定したストレス耐性を身に付け、自分なりのマインドセットを図る方法を確立できること。
- 気軽に相談できる相手を見つけたり、励まし合える仲間を作ることを通して、自己肯定感を保つこと。
- 異業種交流会など社外イベントに積極的に足を運び、新しい考え、価値観などにも触れて、常に心をリフレッシュする機会を作ること
これらを見直して、自分自身で心と身体を整え方を身に付けましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。本記事では、現代社会においての、パニック障害の基本的なことをお伝えしました。パニック障害は、身体の不調に早く気づいて、対策を取ることが大事です。
本記事が、その一助になれたら幸いです。
参考:厚生労働省HP
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_panic.html