ビジネスにおける、「セルフマネジメント」という言葉はご存じでしょうか?
昨今、人生100年時代が話題になるように、お金のためだけではなく、ずっと健康で幸福感を持ちながら働くことが求められています。そのために必要なスキルが、「セルフマネジメント」です。このスキルの能力が高い人ほど、成果を上げ、幸せな人生が送れる傾向にあります。
では、セルフマネジメント力が伸びるためには、どうしたらいいでしょうか。その手段の1つとして、従業員の働き方を工夫することにあります。事業所側にとっても、セルフマネジメント力が伸びる従業員が増えると、結果として主体性のある従業員が増え、売上や利益につながります。
そこで本記事では、「セルフマネジメント力」が伸ばせるための、多様な働き方についてお伝えします。
① リモートワーク
ご存じのように、新型コロナウイルスを契機に広まった、在宅や遠隔地からでも働ける手段で、「テレワーク」という言葉にも置き換えられます。
リモートワークのメリットは主に次のようなことです。
・なんといっても通勤に充てる時間が、まるまる削減できる。
・自分のペースで休憩を入れることができる。
・気が合わない同僚と会わなくて済みストレスが軽減される。
・仕事、家事、育児を並行でき、自由なライフ&ワークバランスが整えられる。
リモートワークは、常に誰かに自分を見られている職場とは違い、自分を律せざるを得ない働き方です。まさに、自己管理=セルフマネジメント力が試されます。つい怠けてしまうと、その分仕事が進まず、後々になって切羽詰まって締め切りに間に合わず、評価が下がるといった自己責任が生れます。だからこそ、自分を強制的に律する必要性を自ら感じるため、結果としてセルフマネジメント力が伸びます。
そもそも前提として、人間は生物学的に、1人だと怠けるようにできているものです。
だからこそ、セルフマネジメント力が高い人の特徴は、根性があるのではなく、1人で仕事をやらない仕組みを作っているのです。
例えば、
・プロジェクトチームと打ち合わせをして、締め切り期日を共有する。
・仲の良い同僚と日時を決めて、ZOOMやSkypeでつながり、黙々と各々の作業をしてリモート上でお互いを監視し合う。
などの工夫です。
繰り返しますが、リモートワークでは、根性論ではなく、自分を律する仕組みを作ることが、セルフマネジメントを伸ばす秘訣となります。
② ティール組織
ティール組織とは、会社のリーダーがトップダウンで指示するピラミッド構造の働き方ではなく、権限を与えられた範囲の従業員全員が協力して、目標も仕事内容もルールも役割分担も自分たちで決めて、アクションに起こす働き方です。
これにより、上席からの指示待ちではなく、主体的に動く従業員が増え、セルフマネジメント力の向上が期待されます。
事業主、役員側の視点では、従業員に経営者目線を持ってもらうことで、世の中の目まぐるしい変化に応じた、安定した経営が維持できるメリットがあり、近年の新しい働き方として注目されています。
③ パラレルキャリア
パラレルキャリアとは、本業以外にも複数の仕事をこなし、生計を立てる働き方です。
「副業」という言葉のほか、複数の収入源をかけ持ちキャリアを持つという意味で、「複」業という言葉を使うこともあります。また、事業所に雇用されず、請負契約として働くフリーランスもいまや1,000万人以上と言われています。
パラレルキャリアが広がったのは、次の背景があります。
・終身雇用の崩壊
・人生100年時代と呼ばれる、従来のお金(有形資産)の構築から、無形資産の構築を含めた新しい生き方づくりの流れ
・新型コロナウイルスなど感染症流行による倒産のリスク
・厚生労働省からの、副業・兼業の普及促進
個人がパラレルキャリアを取り入れることで、収入源が増えるほか、スキルアップの期待、社外知識やノウハウの獲得を得ることができ、セルフマネジメント力が向上します。また、よく事業主側の視点で、「副業をされてしまったら、本業がおろそかになり生産性が低くなる」という声があります。確かにそのリスクはあるかもしれませんが、別のキャリアで培ったノウハウが、本業に活かされるメリットも大いにあり、そこで、パラレルキャリアを認める事業所が増えています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。本記事では、現代社会における、セルフマネジメント力が伸びる、多様な働き方の紹介について、お伝えしました。セルフマネジメント力が伸びることで、個人・事業主双方にメリットがある働き方の形を模索できる一助になれたらと思っております。