ビジネスにおける「セルフマネジメント力」という言葉はご存じでしょうか?
セルフマネジメントとは、直訳で「自己管理」という意味です。
「自己管理」をもう少しかみ砕くと、ビジネスなどで貢献し、金銭だけではなく、
「ずっと健康で働き続けるために」
「ずっと充実感を持って働き続けるために」
「ずっと他者貢献をして喜びを感じ続けるために」
主体的な修行を行い、能力を身に着けていくことです。
セルフマネジメント力が高い人ほど、仕事の成果を上げ、幸せな人生が送れる傾向にあります。
ではなぜ、現代社会においてセルフマネジメントが必要なのでしょうか?
今回は「キャリア」の視点から、2つの理由をお伝えしたいと思います。なお、ここで言う「キャリア」とは、仕事で身につける技術・知識・経験のみならず、プライベートも含めた自分自身の生き方を磨いていく事を差します。
「どんなことで世の中に貢献したい自分でありたいか?」を考える時代に。
1つ目の理由は、ご存じのように、昨今は終身雇用の崩壊、ライフスタイル・価値観の多様化、新型コロナウイルスを背景に「激変した生活様式」が背景にあります。
新型コロナウイルス前でさえ、会社の平均寿命は8年と言われてきました。さらに、コロナ後における、大手有名企業の大幅賞与カット、リモートワークの普及が重なり、1人ひとりが、いつ職を失ってもおかしくない危機感や、新しい収入の得方やワークライフバランスを強制的に考えさせられるようになりました。
そのため、従来の「1つの事業所で、出世を目指す自分づくり」から、「いかに世の中に貢献できる自分づくり」をする働き方に、スタンスを変える必要性が出てきました。
具体的には、世の中にどんなニーズがあり、そのニーズに対して、自分はどんなポジションを取り、自分らしさを活かしてサービスや価値を提供できるか?を考えていくと言うことです。
その上で、キャリアを積み重ねて、自分なりの世の中の貢献の仕方の「答え」を出すために、セルフマネジメントを取り入れることが現代社会では重要になります。
有形資産を作り出す時代から、無形資産を作り出す時代へ。
2つ目の理由は、従来は、終身雇用で定年まで勤め上げると、老後の生活資金が、年金という形で約束されていました。そのゴールを目指せたからこそ、個人が頑張って1つの事業所で働き続けるポテンシャルにつながりました。つまり従来は「お金=有形資産を獲得するための働き方」でした。
しかし、終身雇用が崩壊した中、「組織から評価されるために働いても、その事業所がいつか倒産するなら、今までの努力が無駄になる」という不安が積み重なると、1つの事業所で働くゴールはいったいどこなのか?が、見えなくなります。
となると「人生のゴールは何か?」、「お金を稼ぐことだけが幸せなのか?」という疑問が生まれます。そして、自分自身に素直な気持ちになって、思い描く健康(一生働き続けるための、肉体面・精神面)、仲間、社会貢献、人脈、夢、幸福などの、目に見えない資産、いわゆる「無形資産」を作り出すために、今何をしたらいいか?を考え続けることになります。
そして、無形資産を作り出す過程で、セルフマネジメントをし続け、キャリアという人間としての厚みを得ていくことになります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。本記事では、現代社会においてセルフマネジメントが必要な理由を「2つ」お伝えしました。
本記事が、今からでも、自分の心に素直になって、皆様の生涯のライフプランについて考えていけるきっかけになれたらと思います。
参考
『LIFESHIFT 100年時代の人生戦略』(リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット著)