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日本茶、中国茶、台湾茶、など種別や加工に関すること

「日本茶」という言い方は狭義的に蒸して柔捻した緑茶(煎茶)を指すものでしたが、近年、ほうじ茶や抹茶の製品が多く出回り、日本産のツバキ科KAMERIAから作られるお茶全般の俗称になっています。特に大きな硬い葉を使ったほうじ茶は京番茶と呼ばれ、湯船にいれて浴用にも使えます。

京都では茎のみを集めたほうじ茎茶を「雁金(かりがね)」、金沢では「加賀棒茶」と言い、通好みの茶として格別に扱われているのです。京都、金沢に共通する手工芸友禅染の工房では毎朝井戸水を汲んで、やかんいっぱいに茎茶を煮出します。お茶は日に2回、各工程の職人さんの仕事机に置かれます。なぜ茎茶なのか?と言われれば「うちの習慣だから」というそれだけだそうですが、飽きの来ない味がよいというので手工芸町の茶店にいつでも並んでいる庶民に愛されるお茶です。

「中国茶」の緑茶は釜炒り茶のみで、繊維を破砕し色を留める蒸しの工程段階はありません(青茶と言います)。日本では嬉野茶が釜炒り茶を謳い市場にお目見えしました。もちろん普通の煎茶も出荷されていますが、国産茶で釜炒り茶という個性を打ち出したのが嬉野茶でした。

中国茶といえば烏龍茶が有名ですが、有名な製品はプーアル茶と烏龍茶のよいとこ取りのような製品です。本来の烏龍茶は釜炒り茶で水色が煎茶に近い色味と香味になります。対して白毫銀針(はくごうぎんしん)などは水色は透明に近い黄色で紅茶のゴールデンチップと同じように希少価値の高い高級品です。俗に白茶(パイチャ)と呼ばれていますがなぜ白いのか?というと収穫した後、日に当てず萎凋のみで精製するお茶だからです。

「ゴールデンチップ」そのままでも白茶として美味だが、これを発酵させると高級紅茶になる

プーアル茶は後発酵茶で紅茶と並ぶ発酵茶の位置付けですが、3年ものの出荷時期の餅茶(餅のように固めた固形茶)は紅茶よりも遥かに個性と香りが強く、好き嫌いが分かれるところです。現地では飲む分だけ茶器に削り入れ、最初の湯は捨ててしまい(洗茶)茶葉が開いた2煎目から呈されるという、年月をかけた熟成が風味を引き出すお茶になります。

餅茶の状態のプーアル茶

台湾茶は近年になり日本の市場に多く並ぶようになった新しい産地ブランドで、乳香が特徴の阿里山金萱茶や凍頂烏龍茶は風味が柔らかく飲みやすいと評されています。ハイグロウン(高地栽培)をウリに希少上品的なイメージで根強い人気がある銘柄です。

聞香杯と茶杯などを使って楽しむ「台湾式工夫茶(クンフーチャ)」です。台湾茶の楽しみは僅かな香りの違いを楽しみ味わう茶芸です

緑茶のリキュールでカクテルを

販品もさることながらホワイトリカーや焼酎、ジンに漬け込んで緑茶リキュールも美味しいです。煎茶ほかに、碾茶(テンチャ)という抹茶に挽く前の茶葉で作ると苦味の少ないコクのある緑茶焼酎が出来上がります。碾茶は100gで2000円~5000円程で安価なものは苦味が多い傾向です。作り方は適当に葉をもみ、リカーに浸せば2、3日でのみごろになります。ソーダー割りやフルーツカクテル、ホットショットなど楽しめます。抹茶カクテルのおすすめはロックのショットに練乳です。

煎茶シロップとして氷砂糖をいれればミルク割りやアイスクリームシロップとしても美味しく頂けます。(粉末にするととろみが増します)

抹茶といえば、日本の振り茶(茶筅で振るう茶)の起源としてその原型にちかいものは、茶葉のほかに塩や茶花を入れて茶筅で振るう「ぼてぼて茶」、後発酵茶を泡立てて飲む「バタバタ茶」がそれで少量の穀類や木の実などを入れるのが特徴です。

現在も富山県や新潟県で伝承されている文化背景の濃い郷土茶で、地元民曰く、幼い頃の複雑な心境を回想する、、だそうです。(子供にはあまり美味しいものではないでしょうね)京風ではあられに抹茶塩をいれ煎茶や番茶を注ぐおやつがありますが、これは和やかな会食の席で人知れず歯が悪く困っていた客人への配慮が起源だったそうです。給仕人が茶湯を注いで竹林やお庭の話をして食べ頃を待ったといういかにも京都らしい逸話です。

S H A R E

この記事を書いた人

放送大学大学院文化科学研究科修士課程、本音の理想は自宅庭でグランピング、ダッチオーブンで香草焼きです。
プロフィール画像 須坂市動物園の人気者ハッカン

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